西陣織会館を訪ねて

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西陣織、京都へは5、6世紀頃渡来人が住み着き、織物技術が伝えられました。平安京へ遷都してから、朝廷へ献上するための高級織物が栄えます。

私の中で西陣織りの勝手なイメージはセレブ妻です。
例えば上田紬は農家の素朴な衣類が源流にあるのですが、
西陣織りは朝廷が主導で、職人が織る豪華な美術品です。
皇帝が主導で進めたリヨンの織物と発祥が似ているように思います(もちろん西陣へはリヨンから技術が導入されています)。

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西に西陣、東に桐生の、西陣織会館に行ってきました(2012年頃)。

人人人です。国内の他の見学地とは比べ物にならない。
そして、お客さんのほとんどが外国の方。中国韓国タイなどのアジア系の方が多いでしょうか。駅から徒歩10分ぐらいはかかるので、おそらくバスツアーで来られたのだと思います。
着物ショーが毎日開催されるのが目玉なのか、カメラを持った観光客で黒山の人だかり。

二階では西陣爪掻本綴織を見学できます。
爪でおる織物は非常に繊細で、金色の糸も用いられ、豪華絢爛。
日本が誇る高級美術織物です。
複雑な模様では1日1センチも織れないほど繊細なものだそうです。

見学当時は組紐作成の様子も見学できたのですが、
今もしているのでしょうか?
映画「君の名は。」でヒロインが組紐で髪の毛を束ねていた影響で、組紐はちょっとしたブームですよね。

非常に広い施設で、お土産物もたくさんあります。
建物自体は風情がある感じではないのですが、やはり京都で、団体で行けて、お土産物が買えて、着物ショーや機織りの見学ができて、アジア受けしそうな金色の豪華な織物で・・・といろいろな条件が重なって、人気だったのかと思いました。

 

海外からの観光客の方ばかりでしたが、
高価な美術織物として、日本人なら死ぬまでに一度は見ておくべきものと思います。