オーストラリアとインドで2、3箇所、綿畑を見学させていただいたことがあり、
そのとき見た、ワタ栽植密度について考えてみたいと思います。
(あくまで私の見た限りであって、農家にもよると思います。)
<オーストラリア (ニューサウスウェールズ州)>
畝間100cm 株間10cm *1
100,000個体/ha *2
草高 60cm〜70cm
<インド(マディヤ・プラデーシュ州)>
畝間90cm 株間90cm(単位をフィートからmに換算)
約10,000個体/ha
草高 100cm~200cm
単位面積当たりの個体数は一桁違います。草高もかなり開きがあります。
なぜこんなに差があるのでしょうか?
<私の考察>
1. オーストラリアでは収穫を機械で行うため、草高に制限があります。一定以上の草高のものは収穫できないし、機械故障の原因になります。草高が小さい分、栽植密度を上げることで、収量をあげています。逆にインドでは収穫は主に手作業のため、あまり栽植密度が大きいと収穫しづらくなります。また、下の方は腰をかがめる体制となるため、植物体の上方に着果した方が収穫しやすいです。
2. ワタは積算温度により、植物体の下方から着果し、実が開いていきます。植物体の上方に着果しても、気温が足りないと実が開かず収穫できません。また、実が開かないうちに霜がきてしまうと、収量が激減します。そのため気温が低い地域では植物体を大きくなりそうな場合、薬剤を使い、植物の伸長を止めたり、栽植密度をあげたりすることで、成熟を早めています。
なぜか試験問題風・・・。
*1乾燥がちな場所では畝間を広げ、1.5~2.0mにすることも
*2最終的に1mあたり10の作物が生きている状態がベストということです。種子の種類や土地の状態などによって、発芽率や生存率が異なるので、種子の播種量を調整しなければなりません。
Cotton Seed Distributors Ltd.に自動計算機があって、とても便利そうです。オーストラリアの気候限定ですが・・・
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[…] 先日のワタの栽植密度海外編に続いて国内編です。 […]