2012年頃、産業技術記念館の見学に行きました。

車のトヨタは豊田佐吉さんが1924年G型自動織機を発明したことから始まった、ということを初めて知りました。

機織り機というと古いイメージですが、

当時の産業近代化が進む中、最先端が自動織機の開発だったのですね。

機織り機の歴史的変遷(手織りから空気で横糸を通す機織り機まで!)、

紡績機の歴史的変遷(手紡ぎ、ガラ紡からリング精紡機まで)、

ワタの繊維を整える製綿機もあるし、篠(スライバー)を均一にする装置もあるし、

繊維マニアなら1日過ごせそうなウキウキする展示でした。

もちろん自動車の展示もあります(というかそちらがメインですが。)

 

リヨンで見た機織りでは色糸を使って模様を織り込むのに、

複雑な模様で手作業で1日約8cmしか織れないものがあると聞きましたが、

産業技術記念館にある自動織機は写真をそのまま織物にして1分少々でした。

技術の進歩には目を見張るものがあります。

手織りで可能で、機械で再現できないものもあると思いますが、

大抵のことは機械の方が正確で早い、そんな中、

伝統を残していくというのは、何を残してゆくべきなのでしょう。

手織りの価値はどこにあるのでしょう。

自分が手織りをしながら思います。

 

石油が枯渇したとして、動力が今より手に入らなくなれば、

手織りはまた必要になると思います。

しかしその時のために技術を残す以外に何か価値はあるのでしょうか。

私のやっていることはいったいなんなんだ?ただの自己満足なのか?

そんなことを思った1日でした。

 

トヨタテクノミュージアム産業技術記念館

名古屋市西区則武新町4-1-35