梅染色
1: 水30分、2: 水60分、3: 大豆、4: 石鹸、5: 灰汁pH低、6: 灰汁pH高

15番〜20番手に紡いだ手紡ぎ木綿、いったいどのような精錬方法を用いるとよく染まるのでしょうか。

実験してみました。

下記の6条件で精錬方法を変えてみました。

1:水で沸騰、30分煮る

2:水で沸騰、60分煮る

3:水で30分沸騰後、大豆の煮汁内で10分もみこむ

4:石鹸水で60分煮る

5:pH11.0の雑木灰で30分煮る

6:pH11.6の雑木灰で60分煮る

それぞれを梅の皮3煎で(媒染は石灰)、2回染色した結果上記の写真の通りになりました。

一番濃く染まったのは3の大豆の煮汁処理(納豆を作るときに余った煮汁使用)。これぞ梅干し!の色ですね。

6:灰汁pH高 の色が一番好きなのですが、繊維が痛んでしまったのが玉にきずです。雑木灰で先に煮たことで、先媒染した状態に近いのかもしれません。灰汁pH低い方については、水で煮ただけのものと色味が変わらなかったので、pHについて、より検討を重ねたいと思います。 

いっそ先媒染として、石灰で煮たらどうなるのかも気になります。

精錬直後の手紡ぎ木綿糸は以下の写真の通りです。

精錬直後の色
1: 大豆、2: 石鹸、3: 水30分、4: 水60分、5: 灰pH低、6: 灰pH高

1の大豆は煮汁の色が付いていて、

5、6は雑木灰の茶色がかっていて、

2の石鹸は糸自体が白くなりました。

一番糸の汚れが落ちるのは石鹸だと思います。

石鹸について、染めた後の違いは水で煮た場合と比較して、わからなかったのですが、

きちんと分析すれば、おそらく石鹸精錬が一番雑味がない色になると思われます。

和歌山に引っ越してきて、ひたすら梅の木で染めています。同じ梅の木でも時期や染め方、糸の精錬や植物の部位で色が全然異なって、これだ!という美しい、素材が生きた一色をだすには一生かかるだろうなと感じます。

毎年大量に捨てられていた梅の剪定枝を宝として、

もう少し染色実験して、後日youtube で紹介できたらと思っています。