例えば2

ワタの種と繊維を分けるジン工場の選び方について。出荷するためには必ずこの行程が必要で、当時、3カ所程を利用していた。

一カ所は遠すぎて輸送費が高くなってしまう。輸送はトラック。黄色いラップで包まれたのが巻き寿司状のもの(cotton module)がワタで、一つあたり2.2-2.4t、18個あるのでおよそ40tをトラックで運ぶ、、、輸送にお金がかかるというのもうなずけます。

コットンモジュールを運ぶトラック

もう一カ所は近くて割と安いが、遅くて出荷までに時間がかかる、あと機械の性能が良くないらしく、ワタの品質が落ちてしまい、価格が多少下がる。

残り一カ所はわりと近く品質も良いが、ジンの手数料が高くてなんか実際に出荷した量もごまかされている感じがする。

ジン工場にもいろいろあるんですね。

 

そこで彼らがとった行動は・・・

自分たちでジン工場をたてる!!!!

自分たちというのは近隣農家(親戚も)10件ほどの農家で出資、ジン工場設立のプロを招いて建設するということ。2ヶ月ホームステイしていたときには計画を聞いただけだったのですが、1年後に行くと見事完成してました。近隣のジン工場はこれに伴って価格が下がったみたいですが、でも何もしなかったら何も変わらなかったはず(市場競争の原理的な感じ)。

ここでもやっぱり農家は経営者なのだと思い知らされる。

そりゃ全くトラブルが無い訳ではなく、最初は機械のトラブルで工場がとまってしまうこともあったり、ちょっとワタの出荷シーズンよりちょっと遅れてしまったので、次の作付けまでにお金が入るか微妙だったり、いろいろあります。借金が増える訳でリスクもあるでしょう。でも近隣農家だけでジン工場たててしまうなんて、なんせすごい・・・!

ワタは必ずジン工場を通して出荷するため、野菜みたいに直接消費者に販売することは限りなく難しいです。だからこそ搾取されやすい作物なのかもしれません(搾取という言葉が適切でないかもしれませんが)。

オーストラリアみたいに個々の農家の規模が大きければいいですが、インドや途上国のワタ農家の規模から言えば、自分たちでジン工場を立てるなんて夢のような話で、たとえジン工場にワタの量をごまかされても、品質が落ちてしまっても、ジン工場を信じるしかないのかもと思います。