今年度の綿花収穫量(種付き)、68kg でした。
1年目10kg
2年目54kg
3年目68kg
今年度の綿花収穫量(種付き)、68kg でした。
1年目10kg
2年目54kg
3年目68kg
綿花の種まきの前に、水につけておくことで発芽率を高めることが知られています。
いったいどれくらい水につけるのがよいのでしょうか。
今年は、5アールの畑で約1kgの綿花の種を使い、綿栽培を行います(株間25cm 畝間約60cm〜70cm)。
昨年度、綿の種の発芽率が悪かった(発芽率約36%)ため、今年は未熟な種子を取り除いて播種しました。
播種密度を24粒/m、12粒/m、6粒/mとしたのですが(畝間は全て80cm)、低い発芽率に加え、追い播きを適当に行ってしまったため、最終的な1mあたり株数は下記の通りになりました。そのため、あまり参考にならないのですが、1mあたりの株数は3.5~4本ぐらいが良いのかなという印象です。栽植密度うんぬんの前にとにかく発芽率を上げて、発芽を揃えることが今後の課題です。
1mあたり株数4.8本 | 96kg/10a |
1mあたり株数4本 | 131kg/10a |
1mあたり株数3.5本 | 120kg/10a |
前年度施肥を行った区と行っていない区の収量を比較したところ、下記の通りになりました。前年度施肥した方が収量は多いです。2020年度投入した堆肥量は鶏糞堆肥0.5t/10a、おがこ堆肥2t/10aでしたが、やはり施肥量を増やした方が収量は多くなると考えられます。しかし、綿花は施肥量が多すぎると、栄養成長ばかりで実がつかないということが起こり得るため(2020年度の和綿のように)、施肥量は来年度も変更せずに様子を見ようと思っています。
前年度堆肥あり | 131kg/10a |
前年度堆肥なし | 116kg/10a |
種ごとの収穫量は下記の通りでした。当地(和歌山県)は温暖な気候の効果もあり、スーピマ綿がよく育ちました。和綿と陸地綿と同じ圃場で栽培した所、和綿にとっては肥料が多すぎたようで、栄養成長ばかりで徒長し、生殖成長が不足してしまいました。圃場は分けて、それぞれの施肥設計を行うべきだったと思います。
和綿(G.Arboreum) | 52kg/10a |
スーピマ綿(G.Barbadense) | 158kg/10a |
陸地綿(G.Hirstum) | 131kg/10a |
*播種密度は同じですが、陸地綿の発芽率が著しく悪かったので、栽植密度は同じではありません。各区植物体10本の収量を計算して、反収を求めたため、実際の収量とは異なります。
品種ごとの収穫時期について、和綿は9/1がピーク、陸地綿は9/19がピーク、スーピマ綿は11/16がピークとなりました。
和歌山は9月に台風が来て、収量を低下させるおそれがあります。収穫のピークに台風が重なるリスクを避けるためには晩手のスーピマ綿が向いているかもしれません。また、3種類植えておくと収穫ピークをずらせるので、労働を分散させることができます。
2020年度は圃場全体(約5a)で51kgの綿花を出荷しました。
昨年の10kgに比べて大幅に収量を増やすことができました。
<良かった点>
・収量アップ 昨年度約20kg/10a→今年度約100kg/10a
→鶏糞堆肥0.5t/10a、おがこ堆肥2t/10aの効果が出ていると考えられる。雑草取りも家族の協力でこまめに行ったため、収量が上がった。
・生育初期のカタツムリ、ネキリムシの被害は昨年よりかなり少なかった。
→畑周囲に溝を掘り、水捌けをよくしたこと、おがこ堆肥による土壌改良の効果があったのではないか。単純に4月に晴天が続いたためかもしれないが。
<反省点>
・9月の収穫について、雨が降る前に収穫できなかったものはよくふうけず、縮こまった状態になってしまった、またカビがはえて一部廃棄してしまった。
→可能な限り雨の前に収穫するようにしたい。長雨については仕方がなかった。
・昨年同様カメムシが大量発生し、吸汁被害も出ている
→こまめな防除が必要と考えられる。手で取る以外の防除方法を今後検討する必要がある。
・発芽率が低い
→セルトレーでの発芽率調査の結果、発芽率36% (26/72)であった。水につけた際の種子の色が薄茶色に変化する、未熟種子は約20%で発芽率は0%であった。実際の圃場での発芽率は約50%のため、セルトレーで試験のためにとった種子の発芽率が特に悪かったと思われる。未熟種子を除けば発芽率を高めることができると考えられる。自家採取で良い種子のみを選別し、発芽率を高める、もしくはいただいた種子で未熟種子を取り除く等の方法で、栽植密度を一定にできるよう、検討していく。
綿花の3種、陸地綿(洋綿)、和綿、ピマ綿、について品種ごとの最低結果節位を調べました。
本年度の上記3種の最低結果節位の平均値は、
和綿:3.4
陸地綿:4.4
ピマ綿:6.2
でした。(各5本平均)
綿花栽培を行うにあたって発芽率を調査しました。
陸地綿(洋綿):発芽率36% (26/72)
和綿:発芽率85% (17/20)
スーピマ綿:発芽率70% (14/20)
でした。
昨年度の綿花栽培の結果、綿花の収量(実綿)は
無施肥区:9kg/10a
施肥区:27kg/10a *施肥量は鶏糞0.5t/10a
となりました。
陸地綿(洋綿)の栽培について、日本の気候では温度不足と言われています。
早く播種できるほど、生育期間が長くなり、収量が高くなるはずですが、
低温で発芽しないのは困ります。
綿花に適した播種時期について調べてみました。